2010/04/29

美容業界の未来

昨夜は渋谷にて下北沢で働いている美容師の友人と会食。
一時期は「カリスマ美容師」なる存在まで登場してある種のムーブメントだった美容業界もここ数年で大変厳しいことになっているらしい。実際普段歩いていてもヘアサロンの数には驚くばかりだが、需要を取り込めず個人の美容室などバタバタと潰れていっているとのこと。
ということで今日はそんな窮地に追い込まれた美容業界の未来を少し考えてみる。

その美容師の友人も嘆いているのだが、自分の働く店の戦略が中途半端で新規顧客を取り込んでもリピートが望めないらしい。現実に「1000円カットの店」の需要は増えているようだし、それとは逆に法外な値段を提示している美容院もある。しかし既存の店のおそらく9割以上はその両方にも属さない中間価格帯。東京なら5000〜6000円といったところだろう。
正直、消費者の心情として「別の店に行っても仕上がりはそんなに変わらないだろう。」という前提があるのだ。それなら1000円でも500円でも安い店に行くというのが当たり前となってしまうが、こうなると価格競争に巻き込まれてどこもかしこも自滅するのが落ちである。美容室というのはそもそも立地条件は重要になってくるし結構な面積を取っているところが多い。また人件費もばかにならないことを考えても時代の流れには乗っていない気がしてならない。
そもそも「技術」と「サービス」で勝負しようという業界では「店」の存在は必要なのだろうか?

話は少し変わって、海外で街を歩いていても日本程美容室を見かけないことを不思議に思う。
真相はわからないが、一つの例として挙げるのが「出張カット」の存在。facebookなどのSNSメディア上ではカットのギャラと交通費を支払ってくれると指定した時間と場所に来てくれる、という美容師さんが存在する。自分が所属する店があるのかどうかまではわからないが、そんなことは正直どちらでも良くて、その人個人がネットで告知を出し、個人の客が指名をしている。ようするにフリーエージェントの美容師だ。美容師とは極端に言うとハサミがあれば成り立ってしまう商売なのであとは客がいればいい。ネットを利用すれば広告費は無料だ。美容師とは激務薄給の職業であるというのは有名だが、この商売なら一日に3人程度集客し、一人から出張手数料を含めてザックリ5000円+交通費程度を受け取れば若い人なら店に属するよりも収益率は高い。また、自由な時間を使って他の仕事も出来る。(メディア、イベントのヘアメイクなど)
こんな仕事のやり方が出来てしまえば、そもそもの「店」の存在など必要なくなる。

これを更に発展して考えてみたのが「美容師出張派遣」の登場。
美容師仲間のネットワークは意外と広いらしいので、所属店が潰れて路頭に迷った美容師たちと手を組み「出張美容師.com」みたいなサイトが出てくる可能性を予想してみる。WEBサイトに美容師たちのプロフィールや作品のイラストなどを掲載する。カット中の動画などでもいい。その上でフォームから日付と時間、場所などを入力し「ポチッ!」。これで髪を切りに来てくれたら忙しい現代人が多い世の中では双方の利害関係が一致するのではないか。もちろん「支払いは予約時にクレジットカードにて!」。

美容師のフリーエージェント化。今日はそんな未来を予想してみました。

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